引越しの買取と不用品回収は同時に頼める?窓口の3タイプと確認すること
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売れそうな物と捨てる物が混ざったまま、引越しの日だけが近づいている。買取と回収を別々に呼ぶ手間を減らしたいと考えるのは自然です。
ただ、「同時に頼める」といっても窓口によって中身が違います。この記事は、3つの窓口の違いと、見積のときに何を聞けば「同時」と言えるのかをまとめました。
結論: 「同時」は窓口で中身が違う。聞くのは自社か提携か
- 「同時に頼む」窓口は3つ。①引越し会社(見積のときに買取や引き取りの可否を聞く)②回収業者(査定して回収費から差し引く業者もある)③買取業者(買取が中心。値がつかない物の扱いは別)
- 買取は古物商の許可、家庭ごみの回収は市区町村の一般廃棄物収集運搬の許可で、別の許可。「同時」と書いてあっても、自社で両方するのか、提携先がするのかを聞く
- 順番は「査定 → 値のつかない物だけ回収の見積 → 引越し日から逆算した日程」。冷蔵庫・洗濯機などの家電リサイクル対象品は別ルート
何を運び、何を売り、何を捨てるかの品目別の判断は、判断表の記事にまとめています。この記事は、売る物と捨てる物が決まったあとの「どこに頼むか」だけを扱います。
「同時に頼める」は3タイプある
同時に頼める窓口は、大きく3つに分かれます。
| 窓口 | できること | 向く物 | 確認すること |
|---|---|---|---|
| 引越し会社 | 見積のときに、買取や引き取りの可否を品目・数量で伝えて聞く。会社によって、自社の買取サービス、提携先、または対応なしに分かれる | 家電リサイクル対象品など、会社の公式に引き取り対象と書かれた物 | 対応する品目、対象の地域、費用 |
| 回収業者 | 不用品の回収。査定して買取額を回収費から差し引く業者もある | 量が多い物、自分で運び出せない物 | 家庭ごみを回収できる許可の有無、買取を自社でするのか |
| 買取業者 | 出張・持込などで査定し、買い取る | 年式が新しく状態のよい家電・家具 | 対象品・年式・出張の範囲、値がつかない物の扱い |
「会社によって違う」で終わらせると判断できません。公式サイトに書かれている範囲を、会社名つきで見ていきます。
引越し会社の公式に書かれていること
サカイ引越センターは、公式サイトに「リユース&買取のサカイ」という買取のページを設けています。査定・買取の方法として、訪問・LINE査定・宅配郵送・店舗持込が挙げられています。訪問での見積もりは一部の地域に限ると書かれているため、申し込む前に公式ページで対象エリアを確認してください(2026年10月29日確認)。
不用品の側では、サカイは家電リサイクル法の対象品を有料で引き取り、家具など対象外の物は原則として市町村の粗大ごみに出す、生活ごみは引き受けできない、としています(2026年10月29日確認)。
アート引越センターは、家電リサイクル法の対象品の引き取りに対応し、見積のときに営業担当者へ希望を伝える流れです。一方、家具などの家財、小物類、家電リサイクル法の対象外の家電は、処分・引き取りの対応がないと案内されています。
つまり、同じ「引越し会社」でも、買取の窓口を持つ会社、引き取りは家電リサイクル対象品だけの会社があります。書かれていない会社は、見積のときに品目と数量を伝えて聞くしかありません。
買取と回収は別の許可
「買取も回収も一緒に」と書かれていても、法律の上では別の仕事です。
買取側の許可(古物商)
中古品を事業として買い取るには、古物営業法にもとづく許可(都道府県公安委員会)が必要です。
回収側の許可(一般廃棄物収集運搬)
家庭から出る不用品の回収は、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可を受けた業者か、市区町村から委託を受けた業者がします。環境省は、許可のない回収業者に安易に頼むと違法行為を助長するおそれがあり、料金トラブルになるおそれもあるとして、お住まいの市区町村のルールに従って処分するよう呼びかけています。古物商の許可だけでは、家庭の不用品の回収はできません。許可の確認手順は、判断表の記事にあります。
「同時」と言われたら聞くこと
- 買取は自社か、提携先か
- 回収は自社の許可か、許可業者との提携か(業者名・許可番号を聞く)
- 見積書は、買取と回収で分かれているか
- 買取額を回収費から差し引く場合、その計算が見積書に書かれるか
自社で両方の許可を持つ業者もあれば、買取と回収を別々の会社が受ける形もあります。どちらでも問題はありませんが、トラブルになったときに誰が責任を持つのかが変わるので、見積の時点で聞いておきます。
売れる物と売れない物の振り分け方(査定から回収へ)
順番は、査定が先、回収が後です。
- 売れそうな物を、品目・年式・状態・サイズで一覧にして査定に出す
- 値がつかなかった物、対象外と言われた物だけを回収の見積に回す
- 引越し日から逆算して、双方の日程を決める
最初から「全部まとめて回収」にすると、売れた物の分の差が見えにくくなります。査定の対象かどうかは、年式・状態・サイズで決まります。品目ごとの条件は、各社の公式の査定ページで確認してください。
値のつかなかった物はどうなるか
査定で値がつかない物の扱いは、業者で違います。無料で引き取る業者も、有料の回収に回す業者もあります。査定の前に、「値がつかなかった物はどうなるか」を聞いておきます。
国民生活センターには、訪問購入について「不用品や和服の買い取りのはずが貴金属を買い取られた」といった相談が寄せられています。売るつもりの物以外を見せない、出さない、と決めておくと防げます。
出張買取は、対象地域が一部に限られる場合があります。申し込む前に、公式ページで対象エリアを確認してください。
訪問査定を呼ぶときの注意
自宅に業者を呼んで物を売る取引は「訪問購入」と呼ばれ、特定商取引法の規制があります。事前の勧誘のルールや、クーリング・オフなどの規定です。
ただし、消費者庁の特定商取引法ガイドの「適用除外」には、住居からの退去に際し、売買契約の相手方から取引を誘引した場合は、一部の規定を除いて特定商取引法が適用されない、と書かれています。引越しで自分から買取業者を呼ぶ場合は、これに当たることがありえます。当たる場合は、クーリング・オフなど多くの規定が適用されない扱いになります。
つまり、引越しで自分から呼んだ買取は、契約したあとに取り消せるとは限りません。契約の前に、次の点を確かめます。
- 査定だけの依頼でも、その場で売るかどうかを決めなくてよいか
- 売る物と売らない物を、自分で選べるか
- 買取額、引き取りの条件、キャンセルの扱いが、契約書面に書かれているか
見積の取り方(回収を同時に頼むとき)
見積の総額、追加料金、キャンセル費用、家電リサイクル対象品の扱いの4点は、判断表の記事に書きました。買取と回収を同時に頼むときは、それに加えて次の3点を聞きます。
- 買取額と回収費が、見積書で分かれているか
- 買取不可の物の回収費が、別にかかるか
- 当日に買取額が変わる条件があるか(状態の確認で減額されることがあるか)
買取額を回収費から差し引く形だと、見積書の総額だけでは内訳が見えません。内訳の欄があるかを聞いておくと、比べやすくなります。
回収の見積は、値のつかなかった物だけを同じ条件で複数の業者に頼むと、料金と内訳を比べやすくなります。
家電リサイクル対象品は別ルート
エアコン・テレビ・冷蔵庫と冷凍庫・洗濯機と衣類乾燥機は、家電リサイクル法の対象です(経済産業省)。買取に出す場合と、値がつかずに処分する場合で、手順と費用が変わります。冷蔵庫と洗濯機の費用のかかり方は、別の記事で詳しく書いています。
引越し日から逆算した順番
日数の目安は、自治体・業者で変わるため書きません。決める順番だけを並べます。
-
STEP
引越しが決まったら
売る候補と捨てる候補を、品目ごとに一覧にする
-
STEP
引越し会社の見積
買取・引き取りの可否を、品目と数量で聞く
-
STEP
買取の査定
日程を押さえる。値のつかなかった物を控える
-
STEP
回収の見積
値のつかなかった物だけで見積を取る。許可と内訳を確認する
-
STEP
自治体の粗大ごみ
間に合うかを確認する。間に合わなければ別の方法に切り替える
-
STEP
前日まで
売る物・捨てる物の引き渡しと搬出を済ませる
自治体の粗大ごみが引越し日に間に合わないときの動き方は、別の記事にあります。
引越し会社に頼むとき
引越し会社の見積のときは、運ぶ物と運ばない物を分けて伝え、運ばない物の買取・引き取りの可否を聞きます。見積の依頼先を探すときは、複数の会社に同じ条件で依頼すると比べやすくなります。
よくある質問
引越し会社は買取と回収を一緒にしてくれますか?
会社で違います。サカイ引越センターは、買取のページを設けていて(訪問での見積もりは一部の地域のみ)、不用品は家電リサイクル対象品を有料で引き取るとしています。アート引越センターは、家電リサイクル対象品の引き取りに対応し、それ以外の家具や小物の処分は対応していないと案内されています。ほかの会社は、見積のときに品目と数量を伝えて確認してください。
回収を頼む業者に、買取の許可は要りますか?
買取をするなら、古物商の許可が要ります。家庭ごみの回収は、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可を受けた業者か、委託を受けた業者の仕事です。別の許可なので、両方を一社で受ける業者でも、どちらの許可で何をしているのかを聞いてください。
値がつかなかった物はどうなりますか?
業者で違います。無料で引き取る、有料の回収になる、引き取らない、のいずれかです。査定の前に聞いておくと、当日に慌てずに済みます。
買取と回収は、同じ日に呼べますか?
業者によります。同じ日に受けられるかは、業者の公式ページか見積で確認してください。日程は確約できないことが多いため、引越し日から逆算して余裕を持って動きます。
出典・確認日
確認日は2026年10月29日です。制度や各社の対応は変わることがあるため、申し込む前に公式ページを確認してください。


